本気で目指す!「還暦サブフォー」/目からウロコの充実特集
「年齢に関わらずチャレンジすることはできる」に圧倒
久しぶりにランニング雑誌の「ランナーズ」(株式会社アールビーズ発行)を購入しました。ランナーズ購入は何を隠そう、10年ぶりくらいかも(時々立ち読みはしていましたが…すみません💦)。手に取ったのはいうまでもなく巻頭特集が男性15%、女性7%の勲章です 本気で目指す!「還暦サブフォー」だったから。
この特集に惹かれてじっくり読んでみることにしたのですが、ページをめくってびっくり。「ああもうすぐ還暦かあ」、なんてメソメソしているのをぶっ飛ばすような猛者たちが集結しているではないですか。そして珠玉のキーワードが紙面に踊っているかのよう。
特集の最初を飾るのは61歳で初サブフォーを達成した、大和証券・松井副社長のインタビュー。一流企業の要職、てかCOOにありながらそのストイックぶりにのけぞり、「どんなことでも年齢に関わらずチャレンジすることはできる」にはガツンとやられました。今号に連載している元・日本経済新聞の吉田誠一氏も、日経本紙のランニング連載で「年齢を言い訳にしない」と述べています。
還暦サブフォーは「心」「体幹」「フォーム」「筋持久力」強化
ランナーズでは派生企画で目的に応じて各専属コーチからアドバイスがもらえる「ランナーズ+inチーム」を実施していますが、そのなかの1つ『+ながら「筋トレ&ケアの会」』担当の柳秀雄コーチのコーナーでは、還暦サブフォーを目指すなら「心」「体幹」「フォーム」「筋持久力」を、強化せよと提言しています。おすすめトレーニングメニューが列挙されており、秋の本番に向けて取り入れるぞ、と心なしかやる気が湧いてきてしまうから不思議です。
かと思うと、弓削田眞理子先生の「3時間30分は誰もが切れる」のコーナーも強烈。弓削田先生は58歳で「初サブスリー」、62歳で2時間52分を達成した超人的お方。先生曰く、「インターバル走は1km×7本がお勧め」とし、それも4分20〜30秒と。恥ずかしながら、これで走れるのはせいぜい1回くらいで(1回すら怪しい…)、最後の方は足がもつれて転倒しそう。それを毎週やれと、仰せだ。よくみると、「誰もが」と銘打っているので、必ずしも還暦ランナー向けではなく、若い世代にも発しているのだなと、少し安心。先生のトレーニングメニューも大いにチャレンジする価値ありだな腑に落ちのです。
サブフォーでなく還暦サブスリィィィっ!?
と少し安心して次のページをめくったら『64歳初のサブスリーランナーたちに学ぶ「精神を若く保ち、速くなる方法」』と驚愕の見出しが飛び込んできた。トレーニング内容や強度、取り組む姿勢などハンパない。「60歳くらいまで初サブスリーが狙えます」とは「ランナーズ+inチーム」のコーチ陣のひとり長江隆行コーチの弁。「ええ、そうなの?いや無理無理無理!」と言いたくところですが、長江コーチは「加齢によって走力が落ちるというのはモチベーションの低下も大きな要素です」。なんて示唆に富むお言葉なのでしょう。なお、2022年の60代以上のサブフォー達成は完走者2万5780人中3911人だったそうです。その達成率は15%。ちなみにサブスリーは1000人に2人、2%の難易度だそうです。
吉田誠一氏の連載再開に期待
そして前出の吉田誠一氏のコラムがあったとは。タイトルは「吉田誠一61歳、プロランナー2年目」。しかし、今回が最終回。日経本紙で「フットボール熱源」の連載コラムを担当されていて、日本経済新聞社を退職されたあとも四半期にいちどくらいのペースで日経本紙に掲載している「ランニング特集」のなかで、コラム「ランナーのホンネ」も執筆されている吉田氏。この「ランナーのホンネ」は、氏の日頃のストイックなトレーニングとは打って変わってかなりゆるめですが、この連載はさらにゆるゆる。最終回では、先のレースで撃沈された無念がつづられていて、さらにリベンジを宣言しておられた。スゴイのである。再挑戦にめどがついたらまた帰ってきて欲しいと思うのは私だけではないハズ。再挑戦の内容と思いの丈を是非活字に。お待ちしています!
第2弾も楽しみ
今号は還暦ランナー応援企画になっていました。ただ走るだけの企画にならず、各レベルに応じてそれぞれの取り組みに触れていて、それもサブフォー、サブ3.5、サブスリーと段階的に分けているのも、読み進んでいくと、「自分もサブスリーいけちゃうの」と思えてしまうほど。読み応えがあり目からウロコの連続でした。10年も専門誌から離れているとトレンドを知らない面もあり、勉強にもなりました。企画に携わった編集部員はきっとまだまだ言い足りないことが山ほどあるはず。是非第2弾(これまでにもやっているのかな)を期待してしまいます。